韓国労働組合法改正の落とし穴:労働争議対象拡大を弁護士が解説

労働争議の対象拡大をめぐる問題提起

本稿は、企業の営業利益配分問題は労働争議の対象になり得ないという趣旨の大統領発言を契機に、韓国労働組合及び労働関係調整法第2条・第3条の改正がもたらす構造的な問題点を、弁護士の視点から平易に考察するものである。特に、法改正による実質的な受益者が誰になるのかという点、そして事後的な批判のあり方について、率直な見解を述べる。

李在明大統領が、企業の営業利益の配分問題は労働争議の対象にはなり得ないという趣旨の発言をしたという記事に接し、これを機にいくつかの考えを整理してみたい。問題となる法律・条項は、労働組合及び労働関係調整法(略称:労働組合法)第2条及び第3条である。労働争議の対象を、従来の労働条件からさらに一歩進めて「労働条件に影響を及ぼす事業経営上の決定」にまで拡大してしまった点が問題である。さらに、同法第3条では損害賠償請求の制限範囲を広げ、使用者が労働組合または労働者に対して賠償責任を問える範囲と可能性を大きく制約してしまったことが、この問題の核心である。



大企業中心の労働組合構造という現実

かつて労働法の講義を受講していた際、この分野で非常に著名なある教授がおっしゃっていた言葉を思い出す。韓国の労働組合は概して大企業を中心に組織されているという点を指摘しつつ、法律が大企業と中小企業の区別なく一律に組合の権利を拡大したとしても、実質的な受益者はいわゆる「大企業貴族労組」になる可能性が高いと述べておられた。今回の件に接し、その指摘が改めて思い起こされた。

事後的解釈の限界

人は往々にして、結果を確認した後になってはじめてその原因を解釈しようとする傾向がある。問題が表面化してから「そうなることが分からなかったのか」と問い返されることが多いが、実際には当時、今とは正反対の世論の方がむしろ大きく形成されていたはずだと考える。いわゆる「黄色い封筒法」(労働組合法改正法の通称)が可決されるに至った背景にも、ストライキに参加した労働者に対する企業の損害賠償請求があまりに過酷であるという世論が大きく影響していた。それにもかかわらず、今になって問題が生じたからといって「そうなることが分からなかったのか」と指摘するのは、いささか妥当性を欠くように思われる。

遅ればせながらの現状認識と残された課題

やや遅きに失した感はあるものの、大統領が今になってでも現在の状況を正しく認識するに至ったことは、幸いなことだと考える。今のような状況が続けば、さまざまな問題が生じることが予想される。もっとも、国会が法改正によってこの問題を解決するのであれば話は別であるが、大統領が施行令による補完に言及した以上、実際の法改正にまでつながる可能性はそれほど高くないように見受けられる。この点は、いささか残念な部分であると言わざるを得ない。

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