重複上場の規制は万能か?法律で縛ることで生じる法的リスクと課題

本稿は、子会社の重複上場(いわゆる「切り売り上場」)を法律で一律に禁止しようとする最近の立法論議を、弁護士の視点から検討するものである。ガイドラインによる段階的な運用から法制化への急速な移行が、取締役会の実務や少数株主保護の実質にどのような影響を及ぼしうるかを論じ、規制強化に先立って企業文化の醸成を重視すべきであるという立場を示す。

参考記事

【独自】与党、「重複上場禁止」を法律で明文化へ……資本市場法改正を推進

共に民主党が、子会社の重複上場そのものを法律で制限する方針を打ち出した。子会社上場を進める親会社の取締役会に対し、株主への影響評価と保護策の策定を義務付け、物的分割による子会社を上場させる際には親会社株主の意思を反映させるという内容である。これまで韓国取引所の上場審査基準として運用されてきた、いわゆる「切り売り上場」規制を、今度は法律のレベルにまで引き上げようというものである。去る76日に金融委員会と韓国取引所が発表した重複上場ガイドラインが施行されて間もないこの時点で、早くもその内容を法律に盛り込もうという議論が国会で行われているのである。

親会社の一般株主の持分価値が繰り返し毀損されてきたという問題意識には、私自身も共感している。中核事業を子会社として切り出して上場させた後、支配株主は子会社に対する支配力をそのまま維持する一方で、親会社の一般株主だけが株価下落を被る構造は、明らかに改善が必要である。ただし、その改善の方法が必ずしも法律による緻密な規制でなければならないのかについては、弁護士として指摘しておきたい点がいくつかある。

なぜ最初から法律でなければならないのか

金融委員会と韓国取引所が策定したガイドラインは、施行されてからまだ二週間も経っていない。詳細基準をガイドラインという形で定め、取締役会がこれを自発的に遵守する慣行が定着するまでもう少し見守った上で、法制化の是非を判断するという段階的なアプローチも、十分にあり得る選択肢だと考える。詳細基準を今すぐ法律に固定してしまえば、今後の市場状況や企業ごとの特殊性に応じて基準を柔軟に調整する余地が、その分だけ狭まってしまう点も軽視できない問題である。政策の目標が正しいからといって、その実現手段まで常に最も強い形でなければならないわけではない。



取締役会は重くなり、事務局だけが忙しくなるという逆説

重複上場に関する評価と保護策の策定義務を取締役会に課せば、実務上、取締役会の業務負担はかなり重くならざるを得ない。ところが、ここで一つ懸念される点がある。比較的軽い取締役会業務を期待していた社外取締役が、負担の大きい検討手続を引き受けるよりも、そもそも子会社上場自体を進めないよう社内取締役に求める方向へ議論を導いていく可能性である。あるいは逆に、社外取締役が実質的に検討すべき事項を取締役会事務局があらかじめすべて準備して提出し、社外取締役はそれを形式的に目を通すだけという慣行が定着してしまう可能性もある。いずれの場合も、取締役会の実質的な監督機能が強化されたとは言い難く、むしろ取締役会事務局の業務量だけが大きく増加する結果につながる危険があると考える。

結局は企業文化の問題である

取締役の株主に対する忠実義務を定めた趣旨を改めて考えてみると、取締役が議案を議決する際に、支配株主だけでなく少数株主の利益までも幅広く考慮すべきであるという点にその本質があると理解している。ところが、法律で手続と基準を細かく定めてしまうと、取締役が法律に明示された事項だけを形式的に履行するにとどまってしまう恐れがある。これは、忠実義務が本来目指していた実質的な少数株主利益の考慮という目標からは、かえって遠ざかる結果になりかねない。私はこの問題を、根本的には取締役会運営に関する企業文化の問題であると捉えている。少数株主の利益を実質的に考慮する取締役会文化をいかにして築いていくかという悩みなしに、ひたすら法律上の規制だけですべての問題を解決しようとする発想には、限界があると考える。

規制の精緻さが求められる局面

一般株主保護のための法的装置の必要性そのものを否定しようとするものではない。ただし、詳細基準まで一律に法制化する前に、ガイドライン施行の成果をもう少し見極め、取締役会文化の改善に向けた方策を併せて検討していく必要があると考える。

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