弁護士から見た「調停」の価値と誤解
個人的に弁護士として依頼人を代理し調停手続に参加した際、そのほとんどにおいて成功裏に結果を得ており、弁護士となって以来十数年間、調停手続において問題が発生した事例は一度もなかった。このような経験から、個人的には調停手続は比較的容易かつ簡明な手続であると考えてきた。
ところが、最近になって気づいたのは、このような考えが自分だけの見解であったという事実である。
韓国の弁護士の大半は「調停」をあまり好まず、調停よりも判決によって勝負を決することを好む傾向にある。実際には依頼人の立場からすれば調停によって紛争を終結させる方が有利であるにもかかわらず、そうである。このような理由から、調停期日が開かれても出席しなかったり、当事者に対して調停手続が不利であると説明し、判決によって事件を終わらせるよう勧める弁護士もいるという事実を知ることとなった。
弁護士が調停を忌避する「プロの事情」
しかし個人的な見解としては、当事者にとっては調停の方がはるかに有利な手続であると考える。その理由は次のとおりである。第一に、事件が迅速に終結する。第二に、調停が円満に成立した場合、相手方から速やかに金員の支払いを受けることができる。第三に、調停成立時には追加の民事・刑事訴訟の提起を禁止する条項が含まれるため、将来的な追加紛争の発生を防止することができる。
このような明白な利点があることから、私は訴訟を提起した事件であっても、調停手続が開始される場合には調停によって事件を解決するよう依頼人に積極的に勧めている。これが当事者にとってはるかに有利かつ望ましい結果をもたらすと判断するためである。ただし調停は一定程度の譲歩を前提とする手続であるため、一銭たりとも譲歩できないとの意思を示された依頼人に対しては、あえて調停手続を勧めることはしない。正直に申し上げれば、弁護士の立場からすれば、調停手続を進めない方がむしろ有利な側面がある。
弁護士の立場から調停手続が好まれない理由は次のとおりである。第一に、追加的な事件受任の機会が減少する。一部勝訴あるいは敗訴判決が言い渡された場合、当事者を説得して控訴審を受任する可能性があるが、調停によって事件が終結すればこのような追加受任の機会が失われることになる。第二に、全部勝訴の可能性がある事件の場合、相当な成功報酬を期待できるが、調停によって事件がまとめられれば成功報酬が一部減額される結果が生じるため、弁護士にとっては不利である。第三に、調停手続は判決手続と異なり相手方との交渉過程を経なければならず、通常の弁論期日とは異なり一~二時間を要する場合もあるため、時間対効果の面で効率性が低い手続であるといえる。
このような理由から、当事者に調停手続を積極的に勧める弁護士はさほど多くなく、私は比較的少数に属する弁護士群に該当するという事実を知ることとなった。
無代理調停が招くリスクと教訓
ところで、最近次のような事例に接することとなった。訴額(訴訟価額)が大きくない事件であったため、相談者に国家行政機関内の調停委員会の調停手続を利用するよう勧めたところ、相談者が代理人を選任せず自ら調停手続に出席し、やや不利な調停決定を受けることとなった案件であった。
より有利な方案が存在したにもかかわらず、調停委員らの説得によりかえって不利な内容で調停が成立し、さらに悪いことに調停決定文に複数の誤字が含まれており、当該決定文では強制執行を進めることすら困難な状況であった。これにより別途の更正手続を経なければならないなど、いくつもの付随的な問題がさらに発生することとなった。
個人的な見解としては、少額の費用を節約しようとして代理人を選任しなかったことが問題の原因であったと判断する。それだけの費用を節約するために本人の時間とエネルギーを不必要に浪費した結果であるといえる。もちろん時間的余裕が十分にあるのであれば、そのような経験を自ら引き受けることも一つの選択ではあり得るが、限られた時間と資源を本人が最も得意とする領域に集中して用いる方がより合理的であると考える。
専門家を選任すべき必然性と韓国の調停事情
弁護士として調停手続を代理した際には、このような問題は一度たりとも発生したことがない。調停決定文を受領する前にその内容を綿密に検討することが通常の業務手続であるため、誤字のような問題が生じる余地がなかったからである。他方、当事者が代理人なしで自ら出席して受領した決定文では複数の問題点が発見されたが、これを通じて当事者本人は自らの事件を自ら綿密に検討することが難しい場合が多いという点を改めて確認することとなった。
そこで、韓国において調停手続に参加される予定の韓国人はもちろん外国人の方々にも必ず強調しておきたい点がある。費用を節約しようとして代理人なしに一人で調停手続に参加せず、必ず代理人を選任して出席されることをお勧めする。それが最終的にはかえって費用を節約する結果につながり得る。一人で出席なさらないようお願いしたい。
一人で出席された場合、不利な調停決定を受けられる可能性があり、執行不能な調停決定文を受け取られる可能性も存在する。あわせて今回新たに知ることとなった事実があるが、国家行政機関内の調停委員会の場合、調停決定文を作成する実務官の力量が裁判所のそれと同一水準ではないという点である。裁判所調停の場合、調停委員が草案を作成した後に判事がこれを検討する手続を経るのに対し、国家行政機関調停委員会の場合、実務官がそのような水準の検討力量を備えておらず、かなりの誤字が発生することが少なくない。この場合、後日執行が不能となり別途の更正手続を経なければならないなど、いくつもの付随的な問題が発生し得る。
したがって、多少の費用がかかるとしても、韓国の調停手続においては必ず代理人を選任して調停手続に出席されることをお勧めする。
